大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

静岡家庭裁判所 事件番号不詳 判決

被告人 鈴木清一

被告人 長谷川圭吾

被告人 大橋勇

主文

被告人鈴木清一を罰金二万円に処する。

被告人長谷川圭吾を罰金一万円に処する。

被告人大橋勇を罰金二万円に処する。

被告人等において右罰金を完納できないときは、それぞれ金四百円を一日に換算した期間被告人等を労役場に留置する。

訴訟費用は全部被告人等の連帯負担とする。

一、事実

被告人大橋勇は静岡市幸町三十五番地において携帯用トランジスターラジオの製造並びに販売を業とする東海無線株式会社の代表取締役、被告人鈴木清一は同会社の総務部長、被告人長谷川圭吾は同会社の営業部長であるが

第一、被告人鈴木清一は法定の除外事由がないのにかかわらず

(1)  別表第一記載の通り昭和三十二年十月二十六日より昭和三十三年四月二十五日までの間同会社においてD他三名の年少者をして一日三十分乃至七時間宛延べ六六回一四六時間三十分にわたり深夜業をさせ

(2)  別表第二記載の通り昭和三十二年十月二十六日より昭和三十三年四月二十五日までの間同会社においてE子他三名の女子未成年労働者をして一日三十分乃至四時間三十分延べ十三回十八時間にわたり深夜業をさせ

第二、被告人長谷川圭吾は法定の除外事由がないのにかかわらず別表第三記載の通り昭和三十二年十月二十六日より昭和三十三年五月十三日までの間同会社においてF子、G子両名の女子未成年労働者をして一日三十分乃至七時間宛延べ五十回百六十三時間にわたり深夜業をさせ

第三、被告人大橋勇は昭和三十二年十二月二十五日前記の通り労働基準法違反の行為を知り是正に必要な措置を講じなかつ

たものである。

二、証拠

1  冒頭記載の事実及び判示第一の事実は

(1)  被告人鈴木清一の当公廷における供述、検察官に対する供述調書及び労働基準監督官に対する第一回乃至第五回各供述調書。

(2)  Dの労働基準監督官に対する第一回供述調書。

(3)  H子の同官に対する第一回供述調書。

(4)  押収に係る昭和三十二年十一月分残業報告書一冊、同年十二月分残業報告書一冊、昭和三十三年一月分残業報告書一冊、同年四月分残業報告書一冊。(領第一一九号の一、二、三、七)

(5)  D、I、H子、Jの各身上調書。

2  冒頭記載の事実及び判示第二の事実は、

(1)  被告人長谷川圭吾の当公廷における供述、検察官に対する供述調書及び労働基準監督官に対する第一、二回供述調書。

(2)  E子の労働基準監督官に対する供述調書。

(3)  K子の同官に対する供述調書。

(4)  L子の同官に対する供述調書。

(5)  押収に係る昭和三十二年十一月分残業報告書、同年十二月分残業報告書及び昭和三十三年四月分残業報告書。

(領第一一九号の一、二、七)

(6)  E子、K子、L子、Mの各身上調書。

3  冒頭記載の事実及び判示第三の事実は

(1)  被告人大橋勇の当公廷における供述、検察官に対する供述調書及び労働基準監督官に対する第一回供述調書。

(2)  被告人鈴木清一の検察官に対する供述調書及び同長谷川圭吾の労働基準監督官に対する第一回供述調書。

(3)  押収に係る昭和三十三年領第一一九号の一乃至八の各残業報告書。

三、法律の適用

被告人鈴木清一、同長谷川圭吾の各所為は労働基準法第六十二条第一項、第百十九条第一号、罰金等臨時措置法第四条に該当するので所定刑中罰金刑を選択し、以上は刑法第四十五条前段の併合罪であるから同法第四十八条第二項により同被告人等をそれぞれ主文の刑に量定し、被告人大橋勇の各所為は労働基準法第百二十一条第二項、第百十九条第一号、第六十二条第一項、罰金等臨時措置法第四条に該当するので所定刑中罰金刑を選択し、以上は刑法第四十五条前段の併合罪であるから、同法第四十八条第二項により同被告人を主文の刑に量定し、

被告人等において罰金を完納できないときは刑法第十八条によりそれぞれ金四百円を一日に換算した期間労役場に留置し、

訴訟費用は刑事訟訴法第百八十一条第一項、第百八十二条により被告人等に連帯して負担させる。

よつて主文の通り判決する。

(裁判官 相原宏)

理由

(編注) 年少者および女子未成年者深夜業一覧表は都合により省略。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!